陽月姫と侍

全編、台詞なし。立ち回りと舞、太鼓と笛で綴られる「愛」の物語り・・・


■演目写真

 その昔、侍は若き姫を一目見た時に、彼女を愛した。

侍は姫のことを想い続け、侍の強い「愛」の想念は、姫の魂を奪った。

そして、
姫を「永遠に生き続ける魂、『陽姫』」と「永遠に生きられない魂『月姫』」に分けた。

侍(平山久能)は、陽姫(山野亜紀)を庇護し、自分の元で剣術を教えて育てている。

 しかし、ある時から、陽姫は「なにか」に呼ばれているように思い始める。
その「気づき」は魂の彼方から 確信的な力で、近づいてくる。
『誰が呼んでいるのだろう?』『でも、私の魂が何かを必要としている!』


陰の存在である月姫(なかええみ)は、陽姫を探している。
陰の存在こそが「生命」を求め、「愛」を求め、彷徨い狂う。


月姫は魂を分けたものを捜し、抹殺しに向かう・・・。

陽姫は侍に「私はなにものか?」と、問いかける。


侍は、何も答えず、日々の稽古を続ける。
しかし、陽姫は確信を持って、「私は何ものか?」と問う。

陽姫は、剣術しか知らない。
その問いは、剣と剣を合わせる事でしか、できない。

何度も何度も振りかぶる陽姫。
剣と剣とのぶつかり合いは、益々激しくなる。


侍の剣も激しさを増す、
その中で、手が触れ合う瞬間に、侍の「愛」が見え隠れする。

侍は姫を愛している。ずっと生きていて欲しい。片時も陰をもたずして生きて欲しい。」その願いが侍を邪の道に踏込んでしまった。

追いつめられる侍は、陽姫を封じ込めようとする。
そこへ、月姫が現れる。

もともと一つの魂であったふたりが出会う。
ふたりは見つめあうが、その隙に、侍は襲いかかる。

月姫も抜刀し、侍と闘う。


月姫は陽姫と共に闘えると、彼女を見ると、彼女は剣を降ろしていた・・・。


闘いは終わる。
侍は、すべての剣を受け取り、陽姫の前から去る。

陽姫と月姫は「命」をもっていない。
月姫は、生の存在しかない陽姫に、「死」を渡す。

陽姫と月姫の魂は結ばれる。

陽姫は、陽も陰も持ち合わせた一人の人として「新しい命」を生きる事になる。


■作・演出・構成・振付・作曲 

 中江絵美

■殺陣 
 山野亜紀

■出演
 山野亜紀 なかええみ 平山久能

■演奏・協力
 めじろ台太鼓 

■声
 サンガツオモシアトラム

■制作協力
 サンガツオモシアトラム

■Special Thanks(スタンドイン)
 坂本竜作 

*この演目は、八王子手仕事マーケット内イベントの演目です。

<時>
2016年11月12日(土)11:30〜12:00

<場所>
富士森浅間神社 本殿前

関連リンク https://www.abbey-road.net/info-work/info-2016-11.html